2013/06/22 (日) 徳島県牟岐町 金子レポート

夜が明けた。
起き上がろうとすると、
肋骨あたりに・・・・痛みが・・・・、ヌンチャクのせいだろうか?
胸の筋肉もちょっと・・・痛いが・・・・・・・・日本刀のせいか?
昨日まで筋肉痛は一切なかった。情けないことにリヤカーにより起因することなく六日目にしてヌンチャクと日本刀で筋肉痛をおこしてしまったのである。布団をたたみ、部屋を掃除し、洗顔歯磨き、荷物をまとめ、出発準備OK!
すると、2階からEさんが降りてきた。
「お~、早いのう、もう行くんか?昨日はちょっと、飲みすぎたな、なんやわからんが、体じゅうのあちこちが痛いわ」
あれだけ酒を飲んでヌンチャクと日本刀を振り廻したのだから当り前である。
「ありがとうございました。本当に、助かりました」
「ほな、気いつけてな」
玄関から外に出ていざ、出発しようとすると。
「わしも、ちいと、牽いてみようかいの?」
「どうぞ」
「案外、軽いの~」
家の周りをほんの数メートルだがEさんはリヤカーを引いて下さった。今日も気持ちのいい朝だ。
歩くこと数分で7・11海部牟岐町店に着く。
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野菜ジュース、YG&ハムサンドをPで100均椅子に腰掛けて食べていると白い犬がやってきた。首輪があるからどこかの飼い犬であろうか?
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「お座り!」と言うと素直に座った。中々、お利口さんである。
物欲しげにしているのでYGを足下に置き、ハムサンドをちぎって上げることにした。
「いいこだ、もうちょっと、待ってな、よしよし」とその時だった、犬が突然、足元のYGを舐めはじめたのである。
こちらとしては「いい子いい子」の意味で「よしよし」と言ったつもりが犬には「もうお座りを止めて食べてもいいよ」の意味に履き違えられてしまったようだ。この場合、こちらに落ち度があるから、仕方なく諦めた。
スプーンが邪魔をしているから、蓋を取ってカップの底まで舐められるようにYGを持ち上げたその時だ、今度は右手に持っていたハムサンドをパクリとしやがった。思わず、「バカヤロー」と声を上げてしまった。だが、バカ犬は食の行為を止めず見事に完食したのであった。
ここまでなら、よかった。心の広~いリヤカーだから平静を装うことはいとも簡単にできた。ところが、な、なんと、このバカ犬、あろうことに突然、俺様の顔をしかも口元を集中的に舐めてきた。多分でなく絶対に生まれてこの方、食後の歯磨きなど一度もしていない異臭を漂わせるその舌で舐めてきやがったのだ。「クッサー!」
ペロペロ、ペロペロと全く「不快」以外の表現を宛がうには困難極まりない行為であった。

多分、口髭辺りにYGがついていたのだろう。もう一度、店内へ行きトイレで顔を洗ったが、完全に食欲は失せてしまった。この先、コンビニがあるかどうかわからなかったので、先程、昼食分と予備を多めに購入してあったのでそのまま出発することした。しかし、おおバカ犬だ。ところが、このバカ犬が後を追けてくるではないか。正確には時々、頭を後方のリヤカーへ振り向かせながら前を行くのであった。5分、10分経っても前を行く。段々、先程の怒りが失せ、「おい、犬」と声を掛けるようになっていた。

「犬」では何なのでは呼び名を付けることにした。そして、思わず口から出たのが「マサオ」であった。深い意味はない。全くない。突然、思いついたたのだから仕方がない。「マサオ」と呼ぶと犬は振り向く。試しに「マサイ」と声かけしてみたが振り向かない。「マサコ」でも振り向かない。もう一度「マサオ」と呼ぶと振り向くではないか。誰かが乗り移っているか如きの犬になっていたのだ。段々と「マサオ」が可愛らしくなってきた。
マサオがペースメーカーの役割をしてくれ、スムーズに進んで行く。中々、いい調子だ。
牟岐駅の標識が出てきた。次の交差点で右だ。すると、なんと、マサオが右に曲がるではないか。何の指示もしていないのにマサオは右折したのだ。マサオは予知犬か?それとも、サトリサトラレ悟り犬か?(否、多分、飼い主の家が近くにあるのだろう)兎に角、右折して牟岐駅へ寄り道することにした。
通勤通学の時間帯も過ぎ誰一人いなかった。
都会では考えられない程に静かな田舎の駅であった。
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「田舎の駅」
「リヤカー」
「マサオ。」
並べてみたが全く意味がない。
全く、意味がないから、先へ進むことにする。
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暫く、マサオのリードで少ない交通量の国道を行くとコンビニの大きな看板が見えた。そこには「本場さぬきうどん」と書かれてあった。しかも、イートインシステムのお店だった。急にお腹が減ってきた。迷わず寄ることにした。
当然の事だがマサオは入れなかった。
イートインコーナーは入り口の左側にあった。
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メニューを見て、冷たいぶっかけうどんにした。
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オーダーをしてから調理をするので関東の立ち食い蕎麦店の様に直ぐは出てこないが実に「ウマイ!」大満足である。他のコンビニ店もこのシステムを導入して欲しいものである。(※山形県にも同じシステムを導入しているLWSがあった。もちろん、そう!うどんではなく蕎麦であった)
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駐車場に戻るとマサオがいない。周囲を探したがいない。何処へ行ったんだマサオ?口笛を吹いてみた。しかし、マサオは現れない。「マサオー、マサオー」と大声で呼びたかった。只でさえ変人と思われるている変人が益々変人になるのでリヤカーは大声で呼ぶのを止めにした。その中、ひょっこり現れるだろうと高を括ってリヤカーを引くことにした。
時々、振り向いてしまう。
もしかしたら、今度はリヤカーの後ろを追てくるのかもしれない。
先へ進む。
そして、振り返る。
又、進み、又、振り返る。
何度も何度も同じ行為を繰り返す。
マサオは本当に来るだろうか?
マサオは尾を振りながら来る。
マサオは舌を出しながら来る。
マサオは涎を垂らしながら来る。
マサオはだらしない間抜けな面で来る。
マサオはきっと、全速力で走って来る。
マサオは来る。
きっと来る。
必ず来る。
すると、そんな事を期待している自分にハット!気付いて我に返った。
リヤカーも所詮、向こう三軒両隣に住むありきたりの人間の子であった。
マサオの出現により、孤独感、寂寥感を持つようになってしまったのである。
何処にでもいそうな一匹の犬がリヤカーの感情を大きく揺さぶったのである。
その事実が今、正に、マサオによって、赤裸々に証明されてしまったのである。
それっきりマサオは姿を現すことがなかった。
リヤカーは寂しかった。
漱石の言葉を借りるならば
「リヤカーは犬というものに深い交際(つきあい)をした事のない迂闊な荷車であった」
余りにも大きな空洞が心の中に存在してしまった。
そして、リヤカーは「咳をしてもひとり」の心境に陥ったのである。

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2013/06/22 (日) 徳島県牟岐町 金子レポート への1件のフィードバック

  1. 山さん より:

    金子さん先日は草刈りありがとうございました。
    マサオの話と酷似している話が私の四国遍路に乗せてあります。
    22番平等寺から23番薬王寺への道すがら、県道25号線の阿南市から由岐町にかかる辺り。登り坂に掛かる辺りから一匹の黒い野良犬が私に付きまとい、結局薬王寺まで付いてきました。由岐町と牟岐町は隣みたいな距離です。
    話ではお遍路さんにくっ付いて来る犬がいるのだそうです。
    毛並みも違いますし、私は2005年のこと。しかし似たような話があるものですね。
    http://www2r.biglobe.ne.jp/~yama-san/
    山さんの「おへんろ」をご覧ください。
    真っ黒な犬が腹をすかして道路で寝て休んでいる姿が見れます。(私は薄情者なので餌は一切やりませんでいた)
    薬王寺に夕方着いて、いつの間にか人混みに消えていきました。

    石巻での活躍ご苦労様です。

    by山さんー

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